院長あいさつ

 

9月あいさつ(2018年)
 9月になりました。夏の終わりとともに日本列島は災難が続いております。今年最大と言われる台風21号が関西を直撃。大阪、神戸では多くの車がひっくり返り、港では車が炎上、そしてに何より衝撃的だったのが関西空港の冠水と連絡橋の破壊でした。そして、その台風はまもなく私達の北海道にやってきました。夜中の3時、数時間にわたり風のうなり声が響き、風が直撃する度に家が揺れました。最大瞬間風速は35m/秒、時速にすると実に126km/時。とてつもない強烈な風が日本を縦断していきました。朝の通勤途中で目にしたのは、多くの街路樹が無残にもなぎ倒されている姿でした。

 しかし、その直後の6日の未明、これも午前3時過ぎ、厚真町を震源とする巨大地震が胆振、石狩地方を中心に襲いました。実は私は、5日の夜から東京に出張しており、事態を知ったのは訪問看護師さんからの電話でした。人工呼吸管理をしている患者さんの電源があと数時間で切れるとの連絡でした。急いで入院の手配をし、テレビをつけると厚真町の信じられないような無残な光景を目にしました。そしてしばらくすると、札幌でも清田区で地盤沈下、液状化、傾いた家々の映像が映し出された時、言葉を失い、そして思いました。ついに私達も被災したのだと。

 現地では停電しテレビもつかないことより、まずは職員の安否確認、情報の共有、在宅患者さんや施設の安否確認を行いました。しかし多くが停電で電話が不通、地震発生当日は情報が限定されました。私は千歳空港が閉鎖されたため、もう1泊を東京で過ごし、なんとか7日午前の飛行機を確保し、帰ってくることができました。そのままクリニックで一部外来業務と往診を行いました。7日午後にはほぼ全ての在宅患者さんの安否を確認することができました。

 当クリニックは電子カルテを使っているため、停電するとパソコンを起動することができず、患者さんのカルテを見ることができません。すると処方薬を確認できないため、定期処方ができない状態となりました。しかし、今回患者さんがお持ちのお薬手帳を見て処方することができました。今後の災害の時に役立つと思いますので、皆さん、ぜひ薬局でお薬手帳を作っていただき、保管しておくことをお勧め致します。一方で、当クリニックとしても停電時の電源の確保という課題を感じましたので、今後に活かしていきたいと思います。

 今回の災害では、水、電気、食料、燃料、情報〔携帯電話、テレビ、ラジオ〕の重要性を痛感しました。今後も大きな余震があるかもしれず、今のうちから可能なものは備蓄し、電池などの電源も確保し、情報が受け取れるようにしたいものです。

 しばらくは節電が求められます。当クリニックでも照明などを落とし、必要最小限の電力での診療を行います。災害の中でも、できる限り、皆さんの健康と生活に貢献できるよう、診療を続けて参りたいと思います。

 写真は停電から復活した美しい札幌の夜景です。この夜景のように、私達もきっと、もとの平穏な生活に戻ることができるでしょう。

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