院長あいさつ

 

3月あいさつ(2020年)
 波乱の3月の幕が開けました。日本ばかりでなく、今や世界中が新型コロナ感染症のために、かつて経験したことのない苦難に直面しています。日本では特に北海道での感染者の増加が顕著で、2月28日に鈴木知事は非常事態宣言を行いました。これに続き、安倍首相は全国の小中高の学校の休校を発表し、3月2日から実施されています。これにより、子供を持つ親が出勤できなくなる事態が発生し、職場に影響が出始めています。また海外からのインバウンドが突然なくなることにより、観光業のダメージは深刻で、加えて外出の自粛要請のため、サービス業を中心に、あらゆる分野で経済活動の停滞が起きようとしています。

 私は、これまでの日本政府によるクルーズ船や水際対策などの防疫対応を見て、国は国民を本気で守る気がないということを、ある時点において確信し、呆然としました。コロナ感染者が継続的に入国できる状況を残しておきながら、しかも診断のために必要なPCRテストを行えない状況では、医者としてできることは限られているからです。3月6日からはPCRテストは保険適応となりましたが、限られた施設のみでの実施となり、依然として実質は重症者のみの対応が続くと見られます。ごう内科では漢方治療も行っておりますので、中国での漢方治療の文献などを参考にしながら、西洋医学と組合せながら、試行錯誤で治療にあたっております。反応は良好なのですが、そもそも診断がついていないので、治療効果を学術的に評価することができません。PCRができず診断ができない、ということは、何が有効な治療なのかを検証することができないということでもあるのです。加えて、重症化してからの診断、治療となるため、感染初期からの早期治療の研究や検証が全くできない状況にあります。これは早期発見早期治療の原則に反するものです。

 クルーズ船のダイヤモンドプリンセス号にDMATの一員として参加した神戸大学岩田教授の告発の中で非常に印象に残った言葉があります。「自分の安全を守れない人は、他人の安全も守れない」。中国からの国賓やオリンピック、国立感染研究所絡みの問題等々、政治的な配慮があるのはわかりますが、優先順位として、国民の命を第一に考えて欲しかった、というのが国民の総意ではないでしょうか。岩田教授の警告をひっくり返して考えると、国民の安全を守れない政府は、自分たちの安全も守れない、ということにもなるのではないでしょうか。1日も早い事態の収束を願わずにはいられません。

 ごう内科では、一般患者さんと風邪の患者さんの導線、待合、診察室、会計などを別にして同じ空間を共有することのないように対応しております。また持続換気を行い、環境消毒を日に複数回行い、さらに医師と看護師(感染対応1名)は、帽子、マスク、ゴーグル、防護服を身につけ、院内感染防止対策を講じております。その姿を見るなり、「この先生、ごう先生ですか?」と聞かれる方もいらっしゃいますが、替え玉ではないのでご安心ください。

 しばらくは、外出を控える日々が続き、ストレスがたまりますが、自宅でできる新しい趣味や楽しみを見つける良い機会と捉え、前向きに元気で過ごしましょう。

 写真は、西岡公園水源地の夕景です。自然はコロナに関係なくいつもの美しさを見せてくれます。


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