院長あいさつ

 

11月あいさつ(2015年)
 11月になりました。札幌近郊は、すっかり紅葉が終わり、枯れ葉が舞う季節となりました。先日には初雪も降り、いよいよ冬支度をする時期を迎えました。

 先月は、ノーベル賞について述べましたが、今月はイグノーベル賞について触れたいと思います。イグノーベル賞というのは、想像もしないような、一度聞いたら忘れられないようなユニークな研究に対して贈られる賞のことです。選考委員は、ノーベル賞受賞経験者も含まれているそうです。そんなイグノーベル賞を2013年に受賞した帝京大学医学部准教授の新見正則先生の講演を聞く機会がありました。新見先生が受賞した研究は「心臓移植をしたマウスにオペラ椿姫を聴かせたら心臓が長持ちした」という突拍子もないものでした。椿姫では平均40日、モーツアルトでは20日、歌手のエンヤでは10日、何も聴かせないと8日という驚くべき結果でした。一般の方からすると、大学の先生がこんなことをまじめにやっているのかと意外に思われるかもしれませんが、新見先生は実に細かい地道な作業を積み上げてこうした成果を上げられました。なにしろ、小さなマウスの心臓移植を何十例行うだけでも大変な技術です。もちろん新見先生の研究はこれだけではなく、血管外科、移植免疫学、スポーツ医学から漢方医学まで広い範囲に及びます。その新見先生が仰った中で、印象に残る言葉がありました。それは「些細なことでも、積み上げれば奇跡が起きる」という言葉です。新見先生は、その奇跡の例として、先のラグビーワールドカップの日本代表の快進撃を挙げました。体の小さな日本人がワールドカップで勝利するのは不可能と思われていましたが、低いタックル(これは危険で勇気のいることだそうです)の反復練習と日本人の長所の俊敏性と組織力の鍛錬を積み重ねた結果、W杯初の3勝という奇跡を産んだというものでした。そして、新見先生はこうも仰いました。「病気の治療にも些細な積み重ねが大切」だと。病気の治療は、医者と患者さんの共同作業です。私も、患者さんと一緒に、些細な事でも積み重ねて、良い結果につながるようにして行きたいと思います。

 インフルエンザワクチンの接種を始めています。年末年始にかけて流行が予想されますので、年内にワクチンを接種することをお勧めします。これからはますます寒くなって参りますので、暖かくして風邪を引かないよう、お気をつけ下さい。

写真は、三重県朝熊山展望台から見た伊勢湾の諸島群です。


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